かくかくしかじか
」のレビュー

かくかくしかじか

東村アキコ

全員が感動するかは分からないけど…

ネタバレ
2016年1月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分自身も地方の片田舎の進学校に通い、高校の美術の先生から紹介されて、おじちゃん先生が一人でやっている絵画教室に美大受験のために通った。美大に進学した後も私はその絵画教室で、長期休み毎に、先生の助手のアルバイトをして過ごしたりした。
この絵画教室の先生が、日高先生にそっくりすぎて、1巻から最終話まで、他人事に思えなくて、ずっと心をえぐられるようで、本当に泣いた。
小さな一軒家の居間を改造した部屋で生徒がひしめき合って、先生にげきを飛ばされながら、時には泣きながら絵を描いた。描いた後は、先生が作った陶芸作品のコーヒーカップで、先生が丁寧にドリップでいれたコーヒーを飲んだ。コーヒーなんて普段飲まなかった高校生でも、みんな必ず飲んで帰った、すごく美味しかったから。
先生は釣りが好きで自分でとった魚を〆たりして、食べさせてくれた。人生で初めてカラスミを食べたのは、先生の自家製カラスミ。
絵画が何より好きで、陶芸も好きで、何が何でも生徒を絶対現役で合格させる。
何から何まで日高先生と同じ過ぎて…
でも、ひとつ同じじゃないことがある。私の先生は病気しながらも、まだ生きてる。
今、全巻一気読みしたところですが、これから先生に会いに行こうと思います。
東村アキコ先生、ありがとう。
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