アイシテル ~海容~
」のレビュー

アイシテル ~海容~

伊藤実

加害者の自伝よりよっぽど考えさせられる

ネタバレ
2016年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 実際の事件に照らし合わせられるものではありませんが、深く考えさせられました。
親も1人の人間で、余裕がなければ…成熟していなければ…我が子といえどサインを見落とす事がある。そんなはずはない、と簡単には否定できません、この本を読むと。
最近、神戸の元少年が自伝を出版しました。それ自体は印税収入に協力したくないので読んでいませんが、内容はやはり自己陶酔が否めないもののようでした。
彼は、根源的なものを理解してもらえたのでしょうか?それとも、根っからの殺人者だったのでしょうか?
そしてそんな彼に、両親はきちんと向き合えたのでしょうか?今も共に償っているのでしょうか。
知っている情報では、否です。
この本を読んで、更生機関はあくまで親と子の断たれた絆をつなぎ直すものであり、決して親に代わろうとする事が更生させる事ではない。そんな事はできないのではないかと思いました。
子を更生させるのはやはり親。そして親が子供と向き合う手助けをする更生機関であってほしい。そう思いました。
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