奴隷猫
」のレビュー

奴隷猫

おたぴょん

切ない、先生ファンなら、満足できます。

ネタバレ
2016年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生についたファンで、この単行本をようやく
手にすることができました。

おたぴょん先生の漫画でなければ、BLには全く興味が
なく、読みません。肉厚でガタイがよくて切ない。
先生の魅力は商業以前を知るファンの方がよく知っているはず。
正直商業は、巻末のひとことで観ても明らか、
編集が個性をつぶしている、出版社と
無能な編集に憤りを感じる。先生の個性を、
よくもつぶしてくれたな。編集がクチ出す前のキャラで
読みたかったさ、畜生、悔しい。

ファンは先生を人質に取られているようで、なにも出版社に
文句を言えない。どうすれば先生を助けてあげられるのか。

タイトルが、社長と秘書、愛玩教師、奴隷猫、
単体販売が『痴漢電車』漢字四文字をどこかに
入れるのを貫いていたスタイルが、漢字三文字、
商業以前を考えると、漢字四文字スタイルには
こだわりがあったはず。それが崩れて、ネコのコが
国の所有物として不自由を強いられている。

単なるエロ娯楽で済まされない、暗喩的なSOSを感じざるを
得ない。飼い殺しにされる作家、そういうのが
ひしひし伝わってくる。

先生は、同じキャラや世界観がある程度あるキャラに
説得力を出して切なく狂おしく妄執的に
描き出す、稀有な才能と力をおもちの方、
商業以前では楽しそうだった、それがマンガから
つたわってきた、だのに。商業は、特に奴隷猫は、
テーマを中二病、なるべく登場人物はティーンで、と
編集によけいな縛りをいれられて、しぶしぶ描いている
という感じがする。
正直編集のニーズ把握は間違っている。もう少し熟れた
男どうしの絡み合いの方が、先生の描き出す
エロティシズムがよく似合う。猫も杓子も
ひょろっちい青二才が好みだと思うな、無能編集者め。
先生の才能が、商業でつぶされていて、悲しくて泣いた。

わんこの話の、まつ毛の長い攻めのコの話も、
同じキャラと設定で、もっと読みたかった。
どうして出版社と無能編集は、消費者の要望から
かけはなれていく?先生に単行本を出させない?

飼い殺しをやめて、個性を伸ばすように
かわっていかないだろうか、ジュネットという会社は。
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