このレビューはネタバレを含みます▼
BLなんて読まない方にこそ、読んで欲しい…。
3ヶ月ほど前に初めてBLを読んだ初心者です。
あまり良いイメージがないBLですが…実際に読んでみると同性だからこそ人知れず秘めるような想いが描かれている世界で、胸に残る作品も多いことにビックリしました。それでも腐女子なんて言葉や男性同士の性行為が描かれたマンガを読んでるなんて、間違いなくひた隠しするべきことだと思っていたのですが…この作品は、そんな私の概念?心理?を見事に砕いてくれました。
BLだろうが自分の手元におきたくてコミック買いに書店行きました。だってまるでパズルのように、呟きや仕草、視線に心情が隠されているように、読めば読むほどパズルが完成してゆくように物語がひろがっていくんです。
この作品は、正しく人間の本質が描かれています。
主人公である矢代は、痛々しいほどの人生を生きていくなかで、人を好きになり、その好きになった相手が男だったことへの絶望感を感じ、孤り涙します。
自分の人生や過去に、誰よりも傷付いた心で、大切な人を優しく見守るように一途に想う…そんな矢代のことを『優しくて強くて綺麗な人』だと心惹かれる、これまた壮絶な過去のせいでインポというトラウマを抱えた百目鬼の物語です。
誰よりも穢れながら、誰よりも純粋なまでにキレイな心を持つ矢代、そんな矢代の優しさに泣け、頭として魅せるその強さに惹かれ…そんな矢代が唯一、心を許せる百目鬼との時間に思わず2人の幸せを願わずにはいられないんです。哀しくて、切なくて、愛しい。
9/30に発売される4巻はコミックで買う予定ですw
ヤクザものだし、絵が苦手な方もいるかも知れませんが、読めば絶対的に引き込まれる世界観があり、読み終わる頃には矢代や百目鬼が滅茶苦茶、良い男に見えると思います(笑)