さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
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さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

永田カビ

タイトルがもったいない気がする

ネタバレ
2016年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルが微妙に惜しくてもったいない気がした。この作品は確かに作者が実際レズ風俗に赴き、そこでの体験を書いている。ただ、この作品はどちらかというと一人の女性が自分と向き合うまでの精神的な成長というか変化の話が主であり、そこに面白みがあった。「れぽ」と付いてしまっているからこそ単純にレズ風俗の体験記だけを求めて読んでしまった読者もいただろうし、タイトルとのギャップを感じる人も多いと思われる。最初の発表タイトルがレズ風俗レポだったので仕方ないかもしれないが、もっと精神成長的な面を表した別のタイトルだったら嬉しかった。作品自体の感想でいうと作者の悩みや葛藤がかなり赤裸々に書かれていて共感する部分もあり非常に引き込まれた。細かいところを言えば、両親が実際どう思っているのか、作者にかなり影響を与えていたにしてはその辺りの描写が薄かった、というか真意が読み取れないように感じた。うつ状態の作者に対して全く理解のないような描写もあれば「元気そうね」など娘の様子でほっとしているような一コマもあり、基本的に一時の作者目線で見た状態しか書かれていなかったため。その後のことは私は分からないが、いつかご両親と打ち解けて話せる時が来ればいいなあ、と思う。
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