悲しく心震える物語





2017年1月11日
もうこれは漫画やフィクションを越えています。読み終わった時、しばらく呆然となりました。事件の被害届と加害者の両方の家族が描かれ、その苦悩や悲しみ、事件の真相へも繋がります。当初、ひどい親と思っていた加害者家族へは見方が変わり、被害者家族の抱えていた別の面が見えてくる。そして、最後のシーンは胸が打たれました。両方の家族とも100%の悪人はいないのに、もっと気付いていたら、タイミングが違っていたら、言葉ひとつ違っていたら、と事件がなければ続いていただろう未来を思わずにいられませんでした。これは漫画というフィクションだけど、まるで本当にあったことを見たような、魂が揺さぶられるような作品です。命の大切さ、とよく言われるけれど、それを考えさせられます。そして、家族のあり方、今、当たり前にあると思っている存在についても。老若男女問わず多くの方に読んでほしい。

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