すべてはこの夜に
」のレビュー

すべてはこの夜に

英田サキ/笠井あゆみ

任侠モノだけど優しい物語

ネタバレ
2017年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 二組のカップルが出てくるお話です。
一組目、一見強面な湊の真意と性格の本質が分かってからは可愛らしいやら愛しいやら…。2人が分かり合え結ばれてからの展開には一瞬ドキリとさせられ、湊の様子の切ないこと、やっと手に入れた加持に対してのその後の甘々ぶりもさもあらんというカンジ。
もっと甘々な2人を見ていたいと思うのに次の話になっちゃうのー⁈ と思ったら、むしろこっちがメインでは?と感じる位の二組目のお話。一組目の2人に関わるバイプレーヤーの過去の物語、こちらは始めから2人の終焉がわかって読み進めるので切なくて切なくて涙します。
過去のカップルと現在のカップル、直接関係は無いですが物語が上手く絡んでいて深みが有りました。
作者さんがデビュー前に書かれた過去作品との事ですがとても良かった。ヤクザものにしては登場人物が皆優しくてリアリティが無いし、ちょっと都合良すぎな展開にも思いますが…でもどちらのカップルも素敵、泣けるし印象に残る一冊です。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!