メインの湊×加持のストーリーが3分の2と、残りがスピンオフの武井×鈴原(義兄)のストーリーという組み立てでした。メインの方は、主軸としてはありがちな設定・展開かもしれないですけど、ラストの一捻りがかなり効いていて、「英田先生、さすが!!」と思いました。人間心理の複雑さや人間関係の修復し難いもつれ具合の表現が素晴らしいと思います。メインの方だけでも大分感動しましたが、スピンオフの威力は半端なかったです。こちらは号泣案件です。過去の記憶を遡るという形を取っていて、2人の結末や幸せだった期間が既に分かっている状態で読み進めなければならないので、とにかく悲しいし切ないです。初期の頃の作品らしいですが、今と変わらない読み応えがありました。まだ読んだ作品数は少ないですけど、『エス』よりは軽く、『DEADLOCK』と同じくらいの重さか、ちょい軽いくらいのストーリーかなと思います。