COLD SLEEP 全3巻【合冊版】【イラスト入り】
木原音瀬/祭河ななを
このレビューはネタバレを含みます▼
木原音瀬先生にはまって、ずっと読みたいと思っていたこちらのシリーズが合冊でお安くなっていたので、今だ!と思い購入しました。ザックリいうと記憶喪失ものなのですが、sleep、lightで記憶を失っていた透がfeverで記憶を取り戻すという内容。lightではやっと結ばれた藤島さんという恋人と甘々な日々を送っているところで終わり、feverでなんと……(泣)きっと読んだ人はみんなfeverで号泣するでしょう。私は木原音瀬先生の本が大好きです。木原先生と言えば、痛くて切ないが代名詞ですよね。でも私は真性の痛い切ない好きではないんでしょうきっと。feverを読み続けるのは、今までで1番辛かったです。肉体的に痛いのは「fragile」が私が読んだ木原先生の本では1番でした。でもあれは痛い思いをしている本人が、正直クズだったので普通に読めたんです。精神的に痛いのは、木原先生の代表作とも言える「美しいこと」でした。でもこの作品は、そのどちらをも上回ってしまいました。一気に読破したものの、正直最初は私にはハッピーエンドとは思えませんでした。記憶を取り戻した人は記憶を失っていた間のことを忘れるというのは、他の作者さんの本でも読んだことがある設定だったので覚悟はしていました。が、まさか透があんな事を藤島さんにするとは……。私は記憶を失っていた間の透が大好きだったので、ほんとに号泣してしまいました。透と藤島さんが最終的にはどうなるとしても、藤島さんのことを愛し、愛された、あの透は戻ってきません。他の作者さんでは、記憶を失っていた時のことを何となく思い出したり、知っている感覚だと思ったりしちゃいますが、そんな救いは一切ありません(泣)。そこが木原先生なんですよね……。でももう一度、feverの後半を読み返して、今やっとハッピーエンドだと納得する事が出来ました。あの透とは別人だけれど、この透もやっぱり藤島さんが愛した透なんだと。ただ、まだまだ糖分不足なのでスピンオフまで追っかけたいと思います。cold heartは藤島さんと透がメインではありませんが、その後の2人も少し絡んでくるそうなので。痛くて切ないのが好きな人も、若干苦手な人も、読後はきっと読んでよかったと思えると思います。あくまでも読後ですが(笑)オススメです!
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