なぜこんなにも感情移入してしまうのか





2017年5月20日
物語はシビラの感情を主流にして展開され、ギャレスの心情は行動と表情だけに抑えられています。そのせいでしょうか。あまりにも切ないシビラの心情に感情移入どころか自分をシンクロさせて読み進めている自分に気が付くのです。シビラのショックに息が詰まり、シビラの涙に共に涙し、空想に空想を重ねてしまうのです。客観的に読めばギャレスの想いもシビラに有ることは解るので、本来ならストレートに片思いの話し、と区切りをつけてしまうところです。しかし、この本は、セリフと行動がとても適格、欲しいところでほしい展開がある、おまけに間髪入れずに速攻展開でタタミこんでくるそのテンポが、シビラの追い込まれた状況を読者側に疑似体験させているのかもしれません。ギャレスからの唯一の贈り物の「豚の置物」が割れてしまったシーンでは、号泣してしまいました。レビューを書いているこの時もウルウルです。

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エースをねらえ2014 さん
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nyanya6 さん
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そめ さん
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