長年の想いが実る~~十年越しの行き違い解消





2017年5月21日
ありそうな話なのに、入り込める。断てない想いをずーっと抱え続けて悶々として過ごしてきた、これまでの苦しい日々と、思いの通じた喜びを想像し、読後の満足感は予想以上に大きい。
しかし、十年間も、15歳のとき耳にした言葉のショックで以後絶対会わないように避けてきたこと、誰かと彼とが幸せなところを鉢合わせしたくないからこの町を出たいと思い詰めるところ、破れたのにずっとたち切れない片想いの切なさ、他に人に転換できず長年抱え続けた感情のいつまでも余裕のない辛さが詰まって、報われない想いを経験した人なら誰でも思い当たる心情に感涙。自分に気持ちのない人、それでも好きな人の居る同じところに居たくない、この痛いほどの気持ちが伝わる描写は、使う場面の切り取り方なのか、モノローグのあり方なのか、兎に角提示方法がドラマチックなのだろう。
とりわけ豚の置き物のシーンはこちらの胸も張り裂けそうだった。
最後に判明する、罪無き過去のやりとりを巡っては、彼にしてみれば、そうだったのか、絶句、程度なのだが、その頃は彼も彼で苦しんでいたのだということがそこで語られ、二人の恋のハピエンは、彼にとっても大きかったと知る。その彼サイドの空白期の事情の一部が、ハピエンの花をより美しく見せてくれる。
追)私的には10年はアリなのではまった。
しかし、十年間も、15歳のとき耳にした言葉のショックで以後絶対会わないように避けてきたこと、誰かと彼とが幸せなところを鉢合わせしたくないからこの町を出たいと思い詰めるところ、破れたのにずっとたち切れない片想いの切なさ、他に人に転換できず長年抱え続けた感情のいつまでも余裕のない辛さが詰まって、報われない想いを経験した人なら誰でも思い当たる心情に感涙。自分に気持ちのない人、それでも好きな人の居る同じところに居たくない、この痛いほどの気持ちが伝わる描写は、使う場面の切り取り方なのか、モノローグのあり方なのか、兎に角提示方法がドラマチックなのだろう。
とりわけ豚の置き物のシーンはこちらの胸も張り裂けそうだった。
最後に判明する、罪無き過去のやりとりを巡っては、彼にしてみれば、そうだったのか、絶句、程度なのだが、その頃は彼も彼で苦しんでいたのだということがそこで語られ、二人の恋のハピエンは、彼にとっても大きかったと知る。その彼サイドの空白期の事情の一部が、ハピエンの花をより美しく見せてくれる。
追)私的には10年はアリなのではまった。

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romance2 さん
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そめ さん
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