とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話
」のレビュー

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

佐倉色

面白かった

ネタバレ
2017年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ためし読みから流れるように即購入してしまったのは初めてです。
読みながら続きが気になって気になってしょうがなかった。

佐倉先生が途中でボーノさんや編集長をヒステリックに怒鳴り散らしたりせず(個人的には怒って当然・むしろよく一度も怒鳴らなかったなと思う)、(漫画を読んだ限りでは)佐倉先生の心の中の芯のようなものを通して対応できてよかったと思った。
読みながら私の腹の中もムカムカしたり、ハラハラしたり、
心の叫びのような台詞を読んでは、読んでるこっちも大声をあげてしまいそうなほど心が動かされて、なんと言えばいいのかわからないけれど、漫画描くの上手だなって思った。
「先生、僕くやしいです…」や、漫画を何冊も買って何枚も色紙の応募を送ってしまった人の話は悲しいやら悲しいやらで、もう本当に悲しかった。
うまく表現できないけど、二人とも、きっと純粋に先生の作品を楽しんでいた人で、今回のような業界内の不誠実な仕組みがなければ先生の漫画を楽しむだけで終わっていたはずなのに、特に色紙を何枚も応募してしまった人が自分のしたことに後悔してしまったことを見て、二人の読者としての気持ちがやるせなくてならない。

商業として売るためには全てが自分の描きたいように描けるわけではないというのは理解できるけど、漫画家を一人の社会人として対等に仕事をせず、
漫画家を漫画製造マシーンとしてより低コストに、より扱いやすくするための、「商業として売るため」という範疇を遥かに逸した不条理な仕組みが、これを機に、1ミリでもなくなればいいと思った。
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