このレビューはネタバレを含みます▼
少し辛口になりますが正直な感想です。
難しく見慣れない漢字、用語がたくさん使われており正直「読みにくい」と感じてしまいました。通常は漢字に変換されるであろう言葉が平仮名になっていたりとストーリーの前に文章校正に違和感を感じてしまいました。
今世王に会うまではそんなに時間をかける必要がある?と思うほどゆっくり過程を踏んでいて、かと思えば足弱が誘拐されるシーンは省かれていたり、シリアスな雰囲気で進んでいましたが2巻になって今世王が不治の病になってオマエ草を口にしまずさゆえに口直しに甘いものを口にし、口の中が「わーいわーい」と喜んでいるという場面では急にかわいい感じになって良かったのですが、1巻からの流れでいうと浮いているような、別人が書いているような印象を受けました。イメージが浮かびにくい描写が多くイラストが欲しくなりました。絡みのシーン、情熱的な今世王なのに意外とアッサリでもっと情熱的に書いてほしかったです。絡みの場面に限らずなにがどうなっているのかサッパリな部分が多々ありました。足弱は常にイヤがってる風にしかみえなくてなんだか心苦しい思いでした。今世王が密かに足弱の誕生日祝いを用意してた時に雨が降って今世王が王室病にかかったシーン。それと、王室病を克服して今世王が足弱の小屋に来たときのシーン。それぞれいいストーリーだったのですが描写が今一つで悲しみや感動が半分くらいにしか感じませんでした。最終の足弱が今世王と共に山に帰ってきたとき、このまま山に住むような行動をしていて今世王が気の毒に思い少し読んでいて疲れました。この作品の半分以上は今世王の辛抱と愛でできているような気がします。
お気に入りのシーンは会えない今世王と足弱が手紙のやり取をするところです。目を潤ませながら読みました。とにかく今世王の辛抱強さには泣けてきます。
キャラクターのネーミングセンスは抜群ですね!〈命〉〈温もり〉などどの名前も素敵でした。
全体を通してですがストーリーや設定は文句なしでとても楽しめました。こんなに長い小説久しぶりです。なんだかんだ言いましたがこれだけの文章を読ませるだけの魅力がある素敵な物語でした。荒削りな部分は著者の個性と踏まえてまた読み返したいと思います。
印象が変わったらまたレビューし直したいと思います。