本好きの下剋上
」のレビュー

本好きの下剋上

香月美夜/椎名優

本の構成?が下手なのが唯一残念

ネタバレ
2017年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「なろう」を読んでから、こちらを読んでいます。
個人的には、都度説明が入る事がなく、人物紹介が入る事もなく(笑)、新キャラ(や物)がドバッと出たり久々な人が顔を見せたりで、私の記憶力では「誰だっけ?なんだっけ??」と覚えきれないくらいとてもたくさんのカタカナが出てきて(笑)そんな読者を甘やかさないところが大好きです!
文章力も設定もすごくしっかりしていて、安定感が半端無い。
ありがちな「万能さ」とか「御都合主義」みたいな物も無くて、本当に一から(粘土板から笑)せっせと本作りに邁進するし、毎年毎年確かに年を重ねながら、着実に進歩しつつ、でも毎年怒られるネタが尽きないのも素敵(笑)
離れる時はつられて涙が出るし、でも悲しいばかりじゃなくてすごく「面白い」のもとても大きな魅力。
こんなに長いのに、読み続けることが一切苦痛じゃなくて。寧ろ引き込まれたまま駆け抜ける読書の日々の寝不足続きが辛い(笑)

そんな素敵な作品に、絵がついた!
しかも超素敵な絵が!
作者様が「おじ様達も後半多数出てくるから、そういう人も素敵に描ける人を」とリクエストされたとあとがきにありましたが、納得です!
キャラクターや場面が絵になると更に読みやすく、どの場面が絵になっているのかドキドキしながら読んでいます。
それだけでもお金出して買う価値あります!

ただ…。
本では、構成?が結構嫌(笑)
例えばロジーナの側仕え問題の時、なろうではそのままロジーナ視点が入っていたのに、本になるとエピローグのあとに入っているので、「え、今更?」感が半端ないです…。ここまで後ろに回すくらいなら抜いた方がよかったような気が(でも読んでほしいですけどね!これでロジーナを少し好きになれましたし私は)…。
領主の養女2巻のプロローグではいきなりエーファ(マイン母)がギルベルタ商会に無理言ってるし…。
というか、マインが神殿長になってから最初の夏の成人式で「祈りが足りない」って一悶着の場面が無いまま、なんか後日談のようになっているのだけれど、私の読み漏らし?カット??
読み漏らしたなら、誰か教えて欲しい…。
他にも、フェルディナンドの絵を販売して怒られて、それでも再販の交渉した話とか、本はルッツ視点だったけど私はなろうのマイン視点の方が好きでした。
そんな、プロの手が入った事で「改善」より「改悪」されているようにすら感じて残念です。
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