運がいいとか悪いとか
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運がいいとか悪いとか

館野とお子

大好きな作品です。

ネタバレ
2017年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ わたしの中ではかなりの名作です。何度も読み返してます。他のレビューでも書かれてましたが、この作品は年令で評価が分かれるのかもしれません。王道のカタルシスの感じ方ではないのかも。でも、人生ってそうなんだよなあってすごく共感しつつ、これが3人にとってのハッピーエンドなんだと、私は思いました。「好き」とか「気に入ってる」とかいう言葉にも色々な意味や感情が混在していて、守りたい関係性やらがある一方で、コントロールできない感情もあったりして。そんな大人たちの静かな葛藤がじんわりと染み入る作品です。特に、タイトルの云わんとしているところに、思わずうんうん😶と頷いてしまいました。タイミングとかちょっとしたズレとかやった行為やらなかったこととかで因果の流れが変化して、結果的に桶屋が儲かったり儲からなかったりするんですよね~。クライマックスでの加賀谷の台詞が深い!一度変化した因果の流れは、それがなかった時には戻れない。でもって、それが良かったのか悪かったのかは容易に判断できるものではない。そういう作品のテーマがとても魅力的に描かれていて引き込まれます。あと主要人物たちの表情がすごくいい。ちょいちょい見せる加賀谷の表情がすごい秀逸でした(結局は加賀谷推しだからか!)。
ぜひとも続編が読みたいです!
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