シグナル
」のレビュー

シグナル

日高ショーコ

読み返すほどに味が出てくる

ネタバレ
2018年2月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて読んだときは最後まで芦原のキャラを好きになれなかった。
だが何度も読み返していくと、自己中で相手の気持ちや都合など考えず、それで付き合いが終わるならそれで良しとしていた芦原が、村上に対してだけは切れたくない、村上と繋がっていたいという気持ちが透けて見えるところは萌え要素と言えなくもないかなと思える。

また散々村上を振り回しておいてなんだけど、村上が芦原との関係に疲れそうな時、芦原の態度に凹んだ時、榊にちょっかい出された時などの要所要所では芦原が村上の前に現れて彼なりにフォローしようとする(態度は大きいけど)姿は可愛いと言えなくもないかなと。
そこが芦原の友人たちの言う『芦原は変わった』というところなんでしょう。
榊も芦原の変化を芦原に自覚させるべくわざとちょっかいを出しているようだし。

そこを萌え要素として見られるかどうかがこの作品を好きになれるかどうかの境目なのかなと思います。
後日談の『After』によると二人の関係は相変わらずなところがある一方で、さらに変化した部分も見られるので嬉しい。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!