悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~
白梅ナズナ/まきぶろ/紫真依
このレビューはネタバレを含みます▼
ありがとう。良すぎ。レビューというか、感想です。
以前から読み進めたいな〜と思ってたんですけど、二巻分くらい無料開放してくれたこのタイミングで読破しました。全てに感謝。ひとくちで感想を言うなら、「エミの善性、本当に現代日本を生きた人間が持ってていいやつ?」とかでしょうか。まあ、そんな彼女だからこそ自分の望みを叶えられる世界に行けたんでしょう。
お話の流れとして、1巻で追放されてからレミリアのウルトラがんばり、6巻で今までのカタルシスが全て解放されて気持ちいいです。
個人的に、本来の星の乙女の魂が救われたのも嬉しいです。本来の彼女はエミと瓜二つな性格だったんじゃないかな、とかの妄想も捗ります。逆に星の乙女の「中の人」は前世でどんな姿だったのかも気になりますが。
エミは作中でも泣き虫で、誰かを想ってすぐ泣く子だったのとは対照的に、レミリアは作中で感情的になって泣くことは無かったので、最後のエミとの会話でくしゃくしゃに顔を崩して泣くところはやはり心にきましたね。エミがいなくなった後の涙でしたが、大好きな人の前では最後までカッコよく振る舞っていたかったんでしょうか。彼女もただの健気な優しい女の子であることは分かっていたはずなのに、エミに心配させまいと、涙は見せない強さを目にして、今までどれだけの感情をエミに注いでたかがね、伝わります。ホンマに。
終盤の怒涛のざまあ展開で差し込まれたイケメン達の絶望した顔。筆が乗りすぎだろ。数歩違えばありえたはず幸せな未来を、「俺のために嫉妬している」なんて下卑た一時の快楽のために、自ら踏み躙ってたことに気づいた時の表情、すごすぎる。これが、これが見たかった。
ウィルの全てが終わった後の懺悔というか、二人きりで話す際の言葉の節々から未練タラタラなのがわかるのも好きです。「私も恋をしていました」のところで少し目を見開くのも浅ましくて美しい…。ニチャチャ
魔王との関係性も良かったですね。エミの本質を理解できる貴方なら私も愛せる、といった落とし所がうまいなぁ、と。
最後まで二人が互いを思いながら物語が終わるわけですけど、二人が同一人物であることで生まれた絆は、既存のどの関係性にも属さない、愛ともまた違う大きな感情なのかな、と思います。美しい物語をありがとうございました。