このレビューはネタバレを含みます▼
極上のBL作品を見た。
まず何より絵が綺麗で、目の動き、眉の動き、ちょっとした表情など、細かい部分に至るまでとても丁寧で、登場人物の感情が溢れるように伝わってくる。
言葉がない場面でも、表情が一切を語ってくるのである。動きの不自然さも全くない。
自然に物語にのめり込ませてくれる素晴らしい絵だ。
キャラクターもいい。
スンホは終始に渡り狂気の沙汰であるのだが、それでいて一目で人を惹きつける雰囲気、隠しきれない気品と聡明さを帯びていて、父君がスンホを諦めきれなかった気持ちがよく理解できる。
ナミンへの恋心に気付かされた時、自分の思いを告げた時、ナミンを必死に奪い返す時、スンホの大好きなシーンは山程あるのだが、父君に平伏するシーンがやはり1番かっこよかったと思う。
落涙必至の名シーンだ。
そして、暴君と呼ばれたスンホにここまでの変化をもたらしたナミンの可憐さ愛くるしさ。
顔はもちろん、一挙手一投足が大変かわいらしい。
どんなに散々な目に遭おうともその魅力は失われず、一途に人を思い思われて強くなってゆく様も、非常にアトラクティブだ。
絵もキャラクターも素晴らしい上に、更にストーリーもしっかり洗練されている。
幾度も幾度も山場があり、その度に登場人物たちの気持ちの変化を繊細に描いていて、破滅に向かうようでもあり前進しているようでもある2人の関係から、最後まで目が離せない。
まるで自分に起きている出来事かのように、傷ついたりホッとしたり、波のように感情が揺り動かされる名作中の名作であった。
情事のシーンがかなり多めなので、リアルの人間関係で人に大声で勧められないのが大変悔しいが、この感動をここに書き記すことでこの作品に心ばかりの愛を伝えたい。
素晴らしい作品をありがとうございました。