このレビューはネタバレを含みます▼
艶紅(つやべに)、小豆色(あずきいろ)、甕覗(かめのぞき)、支子色(くちなしいろ)、千歳緑(せんざいみどり)、銀鼠(ぎんねずみ)、月白(つきしろ)……名前も麗しい伝統色にまつわる七話。
オールカラーでとにかく美しい……並んだ硝子瓶の絵の具の鮮やかさ、古畳のシミまで美しく、茶色や灰色など一見地味な色にも豊かな色彩が溢れています。
色彩だけでなく線描も繊細で素晴らしいです。京都の街や風物が柔らかく魅力的に描かれていて、一頁、一コマをじっくりゆっくり、味わいながら読みました。
少し不思議なオムニバスストーリーで、切ない余韻の中にも白猫が上手くはまり、読後感はとても良かったです。
読むと、目も心も癒される素敵な本でした。