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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 京都と猫と、まだ見ぬ色と

    オオタガキフミ

    眼福を味わう
    ネタバレ
    2024年10月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 艶紅(つやべに)、小豆色(あずきいろ)、甕覗(かめのぞき)、支子色(くちなしいろ)、千歳緑(せんざいみどり)、銀鼠(ぎんねずみ)、月白(つきしろ)……名前も麗しい伝統色にまつわる七話。

    オールカラーでとにかく美しい……並んだ硝子瓶の絵の具の鮮やかさ、古畳のシミまで美しく、茶色や灰色など一見地味な色にも豊かな色彩が溢れています。
    色彩だけでなく線描も繊細で素晴らしいです。京都の街や風物が柔らかく魅力的に描かれていて、一頁、一コマをじっくりゆっくり、味わいながら読みました。

    少し不思議なオムニバスストーリーで、切ない余韻の中にも白猫が上手くはまり、読後感はとても良かったです。

    読むと、目も心も癒される素敵な本でした。
  • ニアリーイコール

    凪良ゆう/二宮悦巳

    ≒(ニアリーイコール)
    ネタバレ
    2023年12月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最初はタイトルを意識せず読んでいたのですが、途中の章タイトル『ノットイコール』で初めてイコールが『=』だった事に気付きました。 ● 「ニアリー‐イコール【nearly equal】 おおよそ等しいこと。ほとんど等しいこと。記号「≒」を使うことがある。」 ●少年期に大きな傷を負った仁居と国立が、惹かれ合い少しずつ近付く姿が丁寧に描かれていて、引き込まれるように一気に読みました。 ●あまりに大きな傷故に完全に癒える事はないかも知れないけれど、傷付いても優しい2人が互いを再生させていく様にじんわりしました。 ●もう一人の傷を負った国立の妹の、更にゆっくり(平安時代的に)再生に向かう所、傷付けた側の佐田も、傷付けた為に癒えない傷を抱えていた所も良かったです。 ●情景描写が上手い作者様ですが、特に印象的な川と川を眺める仁居の姿……それらの変わっていく様も素晴らしかったです。 ●2人に寄り添う猫のニーニーに癒されます。イラストも素晴らしかったです。 ●読後感も良く、本当に素敵な作品でした。