このレビューはネタバレを含みます▼
15年以上愛読して感情移入していた分、鳥羽伏見の戦い辺りから佐幕派にとって戦況は悪化の一途となり、読み進めるのがしんどくてここ数年この作品から離れていましたが、そんな風光るも終に完結と知り、残りの巻を大人買いしました!
新選組の最後を知っているだけに悲壮感が増していくものと予想していましたが、私の早計でした。
最後迄士道に準ずる為に最善を尽くし、戦い抜いていく姿に作者の心意気を感じ、「そうだよね!この人達が絶望したり、破れかぶれな負け戦を挑み続けるだけな訳ないよね!」と一人早合点して長い間放置していた事を反省しました(^^;;
歴史を踏まえて少女漫画としてのラストシーンを想像しながら読み進めていきましたが、何となく私の中では風そよぐ野原か降りしきる桜の花の中子供を抱き、亡き人に思いを馳せるような後ろ姿になると思っていましたが、あくまで前を向いて生きていくのがセイちゃんらしいな〜と言う印象です。
そして、多くの読者をざわつかせたセイの子供の父親に関してはほんの僅かに『もやる』気持ちがあります。
エンディングで我が子を腕に抱くセイちゃんを描きたかったなら、土方の死後、総司の子供と共に墓前に遺髪を届ける方が良かった!
お互い異性として意識してないのに、土方は弟とも呼べる同士の妻を抱けるのか!しかも長年同性と思っていた相手を!!
更に欲を言えば、完結後にパロディみたいなスピンオフを描くより、慶喜や幕府がどうなったかや死線をくぐり抜けた永倉さんや斎藤さんの事を盛り込んで欲しかったです…
時代考証や幕末の歴史について深く研究し描き続けてきた多恵子先生だからこそ、そこは割愛してほしくなかったです。
最終巻を読む人は私と同じくこの長編作品を長く愛し続けた人が殆どだと思います。
(一気読みするには長過ぎるからw)
ラストについては好みは別れると思いますが、20年読み続けた私としては満足です。
子供について考証した読者が「え〜?!」ってなるのも当然見越した上で、多恵子先生はセイちゃんを幸せにしてあげたかったのかな〜とも思います。
(私は最後迄総司への想いと士道に操を立てても、それはそれで潔くてセイちゃんらしかった気もしますが)
読み始めたばかりの人に45巻迄読む事を勧めるのは荷が重過ぎますが、最後迄読む人が殆どじゃないかな(^_^;)?
長い作品だし、ゆっくり読み進めて楽しんでほしいです。