karonさん

オメガバースもので、名門私立学園が舞台です。
男子校で登場人物が男子だけなのがいいです。
BLに登場する女子の扱いが雑で不満があることがあるのですが、
この作品は男子だけの世界で集中して読めました。
作者さんの登場人物や周りの背景、小物にいたるまで、細かく設定されているのには驚きました。
絵も美しく、登場人物がそれぞれキャラが立っていてとても楽しめました。
四逸のキャラそれぞれくせがあって好きです。
私は黒髪の葵木が好きなキャラですが、会長も気になります。
いつもふざけているようで、違う顔を見せてくれるのかどうか気になる所です。

人物描写、心情の描き方が細かくて、BLだけではない複雑な人間模様に引き込まれました。
４巻まで読みましたが、次が読みたくてたまりません。

悪役令嬢ものだと思いますが、よくある断罪されて婚約破棄されて追放といった話ではなく、周りの人たちが常識人で令嬢の方を重要視している点が他の話と違うところです。
令嬢目線の話はよくありますが、こちらはサブタイトルのとおり、廃嫡された王太子の尻ぬぐいで即位することとなった騎士が主人公の話です。
王太子の政略結婚の相手に選ばれるくらいだから、王太子の独りよがりで断罪されて婚約破棄されたとはいえ、しっかりした家柄のお嬢さんなわけだから、即追放、処刑とはならないだろうし、こちらの方が現実的な感じがします。

話は静かに始まる感じで地味目ですが、政治的な話もあって読み応えがあり、私的に絵も好みなので、これからの期待を込めて星5つで。
これから波乱が起こりそうな感じですし、この先の話も楽しみです。
どうか途中で終わるようなことなく続いていってくれることを願います。