yokojさん

ちょっと度をこして非常識な登場人物が多く、あまり倫理観のないどちらかというと頭の悪い人達の問題行動にフォーカスがあり、悪者の良い面は描かれていません。最後に悪人が悪人のまま成敗されるのが、現代版かつ日常版の勧善懲悪ものという感じ。絵が綺麗で好感が持てます。

最近の漫画、女性向けのものには特に幼い人向けの話が増えてきているような気がして心配です。こちらのお話も小学校低学年以下向けという感じがします。大丈夫でしょうか？

ファンタジー物であるからか、お兄様のキャラクターは少々人間離れしていますが、少女の夢を大きく満たしてくれるストーリーです。これを読んで男子がどう思うのかは分かりませんが。絵は上手いのですが、上手さを凌駕する勢いがあって、そんな絵に好感が持てて、そこが私は好きです。

バレエ漫画と言えば山岸涼子のアラベスクのノンナだったでしょうか…から始まり多分色々あるのだと思いますが、この作品はバレエともう少し広い意味での舞台芸術が軸なので王道だと思いました。インターナショナルな登場人物で各国の特徴もステレオタイプかも知れませんが上手くキャラクターと融合しており、もちろん現代っ子日本人も多数登場するし、登場人物一人一人に作者の持つものが入れられているので深みがあり、物語としても面白いです。それと同時にバレエを全く知らない人にとっては教育的要素もふんだんで、学びがあります。この漫画を読んで今度子供とバレエ鑑賞に出かけようと思いました。

コンセプトは非常に良い、かつてのノーベル文学賞ものと同等で、しかしラブコメが入っているのでエンターテイメント性が高く、非常に上手い少女漫画だと思います。細部の辻褄が合ってるのかどうも合点行かないモヤモヤ感を持ってしまいがちなのが残念なところ。