このレビューはネタバレを含みます▼
この作品は単行本化されていて、後日譚のみが単行本に入っていない内容(単行本のその後の話)となります。後日譚のページ数は少なめですが、ページ数からは信じられない程の衝撃を与えてくれます。大切なのは長さじゃないんだな…と実感させられました。
私は読了後放心状態で、翌日の仕事が手につかない状態になってます。なので次の日が休みの時に購入することをオススメしたいです。
単行本のラストは希望が持てる感じだった分、尚更こちらの(恐らく本当の意味での)ラストが衝撃的で胸がずーんと重くなりました。
赦されない犯罪を犯してしまった彼に幸せを与えちゃいけない、単純なハッピーエンドで締めてはいけないという作者さんの気概を感じました。この終わり方が彼にとって救いだったのかもしれないという見方もできますが(光が差し込んでいたので)、少なくとも一般的なハッピーエンドではありません。
遺された側のことを想うと胸が痛みます。真っ当に生きていたのにある日突然人生がぶち壊されて、自分の人生を壊した相手と生きていく決意を固めたというのにこの結末は辛すぎます……せめて遺された側はこれから幸せになってほしいです。私が彼なら後追いしかねないくらいキツいと思いますが。
ここまで書いていてふと思いましたが、刺されてしまった彼ももしかしたら助かる未来があるかもしれない。そう希望を持ちたいです。後遺症が残ったとしても二人で生きていってくれることを願って止みません。
ラスト、BADENDかと思いましたが、よく考えると明確に死を描いてない気がするのでそこは作者さんの優しさなのかなと思いました。その優しさに甘えて自分の都合の良いように解釈させてもらおうと思います。
何にせよ心に残る作品でした。BLジャンルにおいてかなり意欲作だと思います。しばらくこの作品が頭から離れそうにありません。