このレビューはネタバレを含みます▼
神様のイタズラで、殺人を犯さないと1日を進められなくなってしまった主人公。しかも、その1日を進めないと、病床に伏せている余命幾許も無い主人公の妹が死を迎えてしまう。追い詰められた主人公は、時間を未来へと進めていくために、自身が殺してもよいと判断した「悪人」を次々に殺害していく…。
ストーリーが斬新でユニークな点は非常に面白かったです。更にストーリー展開もテンポが良く、サクサク読み進められますのも良い点です。ただ、テンポの良さと引き換えにご都合主義な展開がチラホラ。終わりのスケジュールが決まっていたのか、終盤は展開がかなり雑になっていくのが残念です。一体どうしたら、小型ナイフを使って片手でサクッと人間の首を切り落とせるのか…。タイトルとは裏腹に、結末はハッピーエンドではありません。主人公は最後の最後に一瞬の安らぎを得られたかもしれませんが、残された妹は目を覚ましたら地獄の苦しみでしょう。最終回を読み終えた後は、あまり気持ちの良くない虚しさや悲しさが残りました。