ふみさん

最初は朝ごはんという毎日ある小さな幸せを大切に取り入れてがんばっていく漫画だったのに、どんどん主人公の瞑想具合が目に余るように…
絶妙にリアリティがあるところが良かったのに、だんだん気持ちの悪い行動が増えてきてる。
登場人物の多さの割にだらだらしてきてるので、もう少しテンポアップしてほしい。

思い通りにいかないこと、嫌なこと、窮屈さを感じることなど
日々自由にいかないことは、誰にでも、どこにでもあって
主人公の行動を全て手放しで受け入れることはできないけど
それでも、なんとかしたいと
もがく自由もあるのだと思えた作品でした。

絵も綺麗だし、話の筋も面白いんだけど、とにかくテンポが悪い。登場人物が多すぎる。カフェの子とテレビ局の元カレはいらない。
ヒーローがヒーローらしくないし、ヒロインも熱が低くて今っぽくて面白いのにすごくもったいないと思う。
もう85年生まれは30歳どころかアラサーですらなくなってくるのに終わる気配がないから、だんだん飽きてきた。

ヒロインとヒーローが互いに大きな心の闇を抱えていて、それを大きくほぐしてくれる存在がいて、っていう小花美穂王道の流れですが、スケール感を出して少女マンガで収まらないようなストーリーにされてました。
最終巻は話の流れ上やや失速感が否めませんでしたが、ヒロインの未来を作っていくためには必要な流れだったのかなと思います。
絵も相変わらず細かく丁寧ですし、体調など大変かと思いますがまた新作を書き続けて欲しいと思います。

三角関係のもつれ方が新鮮で、自分の幸せのためにどうするかではなく、相手の望みを叶えないために自分を犠牲にしていく形でした。
もつれにもつれましたが、最後が少し物足りなかった。未果子がどうしてヨシキに惹かれて固執してたのか、の本当の理由をもう少し掘り下げて欲しかった。こんなに全員を振り回した未果子の過去に対する掘り下げが一番肝心だと思うんだけど…

とにかく気高いお嬢様。常に自分が正しいと信じたことを貫く孤高の雰囲気で周りがどんどん彼女に引き込まれて行きます。
一条作品のゴージャスさもあり画力も言うことなし。
ですが、主人公に対して少し甘すぎる展開が多いのとライバルの女の子の環境や性格が酷すぎてライバルに見えない時もあって、エピソードや舞台は豪華なのに淡々と進んでいく印象も否めません。
音楽の専門知識などは詳しい方に言わせるとあんまり…とのことですが、途中途中に出てくるセリフの中には、はっとさせられる力のあるものもあり、一条ゆかり本人の強さや魅力を垣間見たような気がします。
自分のやっていることに自信がなかったり、誰かと比べて悩んだりしている人にオススメしたいお話だと思いました。

いくえみ綾お得意の転校生モノです。
皆の憧れの人と自然に仲良く距離が近づいていく、少女マンガの王道でした。
じわっとしたいじめもあり、いくえみ男子のさらっと感もあり、描写も程よく、CPも良。特に最終話の持っていき方はさすがとしか言いようがなかったです。これぞいくえみ綾。これぞ少女マンガ。
キラキラしてて、後味スッキリ。久々に爽やかないくえみ綾を味わえました。オススメです！