Midori Komamuraさん

一冊で完結したと思っていたのに2巻が出ていたので、内容を確認して本書の紹介文を読むと、「一巻の後日談で笑みを取り戻すまでのストーリー」と書かれてあった。確か一巻の最後のショートストーリーで描かれていたけど、それを詳しく読めるのかと思って購入したが、かなりがっかりした。
大半は、すでに一巻で完結しているストーリーでの「断罪」の記述と主人公を裏切ったメンバーの後悔記録。
一巻やコミックスでは、貴族らしく高潔で気品ある女性として描かれているレミリアの、ややマッドサイエンティストっぽい側面が色濃くて、正直不快で前半ほとんど読み飛ばした。
「エミをとりもどすまでの後日談」は後半の僅かなページのみで、一巻のストーリーを詳細に記述したものだったけど、一巻のストーで十分だった私には蛇足だった。
正直、読み終わってから購入したのを後悔した。一巻の完成度や満足感からの期待が大きかっただけに、残念な一冊だった。

マンガは音が聞こえないけど、このマンガは音が響いてくる。
色々な思いを背負って音を出すところが伝わってくる。
熱い
でも
限りなく優しい
そんな音が聴こえてくる。

玖太郎と文の二人を取り巻く運命が語られる8巻は、涙なしでは読めないです。
過酷な運命だけど、それは未来を信じた人たちの強くて深くて大きな愛によって支えられていたという事実。
この先きっと、その愛が素晴らしい未来を紡いでいくことになるのでしょうね。

まだまだ試練が終わったわけじゃないけど、本当に愛って強いなぁ。

死を見つめるということは、どう生きるのかを考えること。
人と別れることを思う時、目の前にいる相手と今どう向き合うのかを考える。

柔らかく温かい絵柄で淡々と、押し付けがましいところなく、そんなことを考えさせてくれる素敵な物語でした。
お話としても、構成力があって惹きつけられるものでしたが、絵の持つ表情が深く強く、よりストーリーを説得力あるものにしているように思います。

三巻の中に濃密に凝縮されている思いが素晴らしく、読んでよかったです。購入して損はない、何度でも読み返したい作品です。