あーるさん

時間、ひと、想い……それらの繋がりがとても大切に描かれているお話です。
記憶力に関する重い障害を負ってしまった入所者と泣き虫で優しい介護士。絶望的な日々の中、ふたりが重ねた時間から生まれる想いと現実に胸がキュッと締め付けられます。
そんな時、タイムスリップというありえない「奇跡」が起こる。でもそれは単なる「奇跡」ではなく彼らが重ねた時間、周りの人々の想い、そしてただ純粋にそのひとを想う気持ち……それらが繋がり起こったものだと感じられました。
エロシーンはほぼなし。情景描写(施設の風景、料理など)はとても繊細で臨場感溢れています。
心情を大切に描かれているお話が好きな方、BLに触れたことのない方にもおすすめできる作品だと思います！

えろシーン多しなのですが、心情もバッチリ伝わってきます。キャラクターたちにきちんと背景があり、傍若無人な後輩君を受け入れてしまう理由も納得。また攻めの後輩君が戸惑ったり否定しながらもいつの間にか惹かれていくのも自然でした。『いいなり』からの始まりだったけれど、エンディングにちゃんと恋してるふたりの姿がとても可愛らしかったです。タレ目な先輩、とってもグッドでした！

ふたりが出会ったことでお互い足りないところを補い合い、影響され気づき変わっていく。始まりのきっかけは子供だけれど子育てだけがメインではなく、過去やいろんな壁に向きあいながらじっくりと『愛』のある家族になっていく姿に、あたたかい気持ちと涙が溢れました。この一巻の中に様々な想いがぎゅっと詰まっていて、とても読み応えがあり心動かされる作品でした。

攻め受け、どちらのキャラもめちゃくちゃいい！えっちシーン満載だけど、そんなシーンにも垣間見える心情描写にきゅんきゅんです！ストーリー展開もキャラ設定も全部にときめきました！単行本ももちろん購入です！！！