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シーモア島


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渾身の生が、惟惟(ただただ)眩しい2024年12月9日「渾身の生が、惟惟(ただただ)眩しい」
三国志の曹操を主人公とした漫画、蒼天航路からの引用です。引用元では、主人公曹操を旗揚げ直後から支え続けてきた一族の将が戦死した際にその生き様を悼むように発せられた台詞でしたが、この作品(ブレス)では、一言一句違わず同じ言葉がポジティブな意味合いで読者の口から発せられます。
私はそこら辺にいるメイクとは全く縁のない冴えないおじさんですし、一巻からずーっと話を追っていますがそれでもやっぱりメイクのことはわかりません。それでも主人公二人の青く美しい熱量に魅せられてしまい、物語を追い続けることを止めることができません。
登場するキャラの一人一人みんなが魅力的で、そんな彼ら・彼女らが夢に向かい切磋琢磨を重ね続ける様にグイグイと引き込まれてしまいます。みんなの生き様が本当に美しく、本当に眩しい。ただただ眩しい。ぐわー目がーってなっちゃうぐらい。
これからもその眩しさに目を焼かれ続けていきたいなと思っていますし、私のように目を焼かれる被害者を増やしていきたいなとも思っています。
そこのあなた!私と一緒に目を焼かれてみようぜ!! -
随所に挟まれる「いとをかし」2023年7月4日内容についてはね、すでに皆さんがたくさん語ってらっしゃりますのでそちらをご参照ください。甘酸っぱいガールミーツボーイ・・・でありながらも同僚との距離感に疲れ切った社会人にも刺さるとっても素晴らしい作品です。
でもね、私が熱く語りたいのはそこじゃないんですよ。阿賀沢先生の何が素晴らしいってね、それは「感情や風景を言語化するセンス」だと思うんですよ。
人間なら誰しもが一度は抱えたことがあるであろう悩み、他人にはぶつけられない理不尽な激情なんかをよくもここまでハッキリと言葉に出来るもんだ・・・。
鼻にツンと来る冷えに秋の到来を感じたり、雨上がりの土の臭いに心地よさを感じたり、クリスマス当日よりもそれまでの浮かれた雰囲気が好きだったり。なんてことはないありふれた日常の中でふっと陥るセンチメンタルな心の動きをよくもここまでハッキリと言葉に出来るもんだ・・・。
私は特に後者、日常の中に隠れる「いとをかし」を登場人物が語るシーンがクッッッッソ刺さりました。良き。とても良き。
縦読みで作られた作品だからと半ば諦めつつも期待してた単行本化、本当にありがとうございました。連載中の正反対な君と僕も拝読しております。
先生の今後に幸多からんことを。心よりお祈り申し上げます。がんばえー。 -