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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • どちら様が愛を告ぐ

    仁嶋中道

    人を思いやり愛を注ぐ
    ネタバレ
    2024年8月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 究極の愛の物語が、仁嶋中道先生の魅力的な主人公達と細部まで丁寧に描き込まれた背景で展開される。読者を引き込ませるストリー展開に、LGBTと言う難解なテーマが絡んだ珠玉の名作である。
    カフェfaroの店主海原千秋は、どこかクールなイケメン。メニューはココア一点のみ。そこへ挙動不審で金髪の青年早川渚が訪ねて来る。実は、失踪した千秋の母の訃報を伝えに来たのだった。性別不合で苦しみ、我が子を捨てた後悔の末、急死した母珠希。娘を理解しなかった祖母の後悔。自分の傷口を舐めるばかりで母を疎んできた千秋の後悔。これらを全部引っくるめて、渚の愛が包み込む。作者の後書きにもあるように、千秋と渚は今後、末長く愛を育んで行くだろう。
  • 雨月堂アンティーク

    露久ふみ

    懐かしの心踊る奇譚
    2024年6月12日
    子供の頃は、ワクワク、ドキドキする不思議な話に魅了された。例えば故水木しげる先生による奇譚集は、短編ではあったけれど、その不思議さにのめり込んだ。この作品は、それらを彷彿させ、懐かしささえ感じた。舞台は、雨の日にだけ出現し営業する骨董品店。店主の月路は、品物の対価は「思い出」を差し出す事、さもなくば、自分と子作りをする事と珍妙な提案をする。そこは、異世界だからまんまと引きずり込まれた主人公。しかし、結末は、そっちの世界から、こっちの世界に命懸けで月路を連れ戻すのだった。月路は、左目の視力と多分不思議な力を失ったが、望んだ幸福を得られた。二人の幸せが長く続きます様に祈りつつ。完。
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  • パラダイムシフト【分冊版】

    ぴい

    Ωバースの理知的な検証
    2024年6月6日
    ぴい先生の2015年完結の、先生にとっては、珍しいΩバースものであるが、そもそも、α.β.Ωの架空の性別が創造されたのが、欧米のSF.BL小説が発祥だと説明されている。そして、この性質は、狼を参考にしているらしい。このストーリーの評価が相対的に低いが、むしろ、幼少年期のトラウマ、執着、差別観やそれを乗り越えて行く強さを描く過程は、以後の他著者のΩバースをテーマにした作品に踏襲されている。因みに薬剤.生物学の研究者日比谷(βからアナフィラキシーショックによりΩ性顕現)と出自も何もかもハイスペックなひと回り年下の山木の諦めない恋は実を結び子供まで授かった。❤️
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  • 愛だなんて言わないから

    日暮くれ

    心からの愛
    2024年5月14日
    ずっと心に秘めていた気持ちを同性相手に伝える事がどんなに難しいのか、計り知れない。案の定、伝えられた相手は、動転してしまうが、答えられなくて、友人を傷つけた後悔が成人しても尚、燻り続けて同性の恋人まで作ってしまう。振られた優等生は、弁護士になり同僚と形だけの結婚をするるものの、事在るごとに彼に絡みとうとう彼の心を掴んだ。この巻には、切ない思いが行き来するだけで、肉体的な絡みはないけれど、実際こうなんだろうなぁと思う。スピンオフ又は続巻の含みを持たせて完。
  • 目を閉じて夢を見る

    つくも号

    社会問題
    2024年5月13日
    つくも3号先生のBL作品の最高傑作です。南晃人は、父親に親子共々捨てられて、後に母親からのネグレクト。学校では、虐めにあって、14、5歳にして生きる為にウリ専をする。金額を5千円とホテル代に設定しているのは彼の唯一のプライドなのか。彼は、客の一人で営業職の会社員広尾康介と出会って初めて人の温もりと優しさを知る。作者は、改正された児童保護法や未成年者略手法などを正確に描き、同情の余地なく二人を追い詰めるが、当然罪に問われた康介は、会社をクビになり、晃人は、逆にどん底から這い上がり通信制の高校にまで通うと言うくだりになるが、二人の間に通う愛情が希望へと繋ぐ。つくも3号先生の絵は、上手過ぎるし、BLとしての性描写も満載だけれど、結果的に社会派作品と言える。
  • 【特装版】依存の楔【電子限定おまけ付き】

    akabeko

    秀作
    2024年4月30日
    akabeko氏の作品のマイノリティ、アンダーグラウンド感が好き過ぎる。この作品は、人の心の闇を描くものであり傷付きたくない為に現実から逃避する男を描く。救済しようとする青年もまた、自己の欲求を満たす為でも有り男に執着する歪な愛を捧げる。最終的に男は、青年の愛に縋り、ここから始まる物語。かな❓
    一般受けしないかもしれないけれど、救いの無い暗さではなく、一条の希望の光を感じた。