このレビューはネタバレを含みます▼
岡野・土屋それぞれのキャラクター性は私的にとても魅力的。岡野が土屋に惹かれていく過程にもラブコメらしい甘酸っぱさがあり、くすぐったくなりながらも可愛いなぁ、分かるなぁと感じることが出来ました。岡野のこれまでを考えると、良くも悪くも今までの彼の概念を覆し揺さぶってくる土屋という人間に急激に惹かれていくのも理解できます。ただ、そのぶん土屋側が岡野への想いの種類に迷い始めてから確信するまでの過程が、少し物足りなく感じました。彼らのことは大変気に入ったのですが、故の☆3です。土屋はそれなりに女性経験があるようでしたし、そんな彼が同性の、しかも美少年というわけでもない先輩を恋愛的な意味で好きかもしれないとなった時に、岡野の頑なな否定を受けて「同じ意味の好きだよ!」と半ばムキになって言い返してしまうところまでは良しとして、「証明する」過程にはもう少し戸惑いや葛藤が欲しかったかなーと。もしくは一旦は結ばれたとしても、恋人として本当に信頼が生まれるまでには時間がかかると思うので、そのジリジリする部分が知りなかったかなーと。その点で、気に入っただけに物足りなかった。つづき、もしくは番外編など、描いて頂けたら嬉しいのですが。濃厚なBLを期待している方には合わないかもしれませんが、奇をてらい過ぎずありがち過ぎないキャラクターには好感が持てます。