きぃちゃんさん

細部まで作り込まれた優れたファンタジー大作です。
街並みや地下道を歩くシーン等､ストーリーとは一見関係が薄いように思える部分も描写は克明です。
豊富な情報量（情景だけでなく、言語、科学、政治、音楽などなど）を含むので、自分のイマジネーションがついていかず、悔しい思いをしています。2回読んだんですけどね。
アニメ化してほしいところですが、「美術はきれい」で終わってしまう映像化なら、この作品に失礼ですから、自分の想像力を磨いた方が早いかな。
登場人物も全てキャラが立っています。おざなりな扱いをされている人はいません｡
そして登場人物達に襲いかかる多くの苦難。
（と言っても苦難の克服に魔法は出ません。それを期待する人は肩すかしを食うかも）
怒涛のクライマックス、哀感と希望のラスト。
どの場面も読み応えがあります。
人間の喜びと悲しみを描ききっています｡
読んで損はありません｡
特に､読書好きを自負する若い方に、ぜひ読んで頂きたい名作です｡

Web版、書籍、コミックと読みました。
ヒロインの独白で語られる場面で、イメージがわかりづらい所があり(ル○トに似た青年とのやり取りなど)、私の想像力が貧弱なだけかもしれませんが、そこがちょっと残念でした。
漫画はそういう場面をわかりやすく描いてくれていて良かったので、星５つです。
力のある漫画家さんなのだと思います。
これから原作でも屈指の名場面になります。期待してます！