半分とはいえ、血の繋がった兄弟という設定だけで即買い。年齢差も血縁絡みの愛憎や因縁もめちゃめちゃ最高だったんですけど、んまーーー短い!!!!!もっとほしい(貪欲)!もっと!ほしい!です!お金持ちや旧家によくあるしがらみ云々で両親は政略的婚姻
だったのでしょう。母親は正真正銘夫の子である長男を遠ざけ、次男を溺愛。父親は妻の不倫相手の子である次男を遠ざける典型的家庭不和。母親の愛情は利己的な理由であることを次男は察しており、肉親と呼べるのも愛せるのも兄だけ。そんな中、家を次男に継がせることになり長男は家出、次男は厨房にすら入れてもらえず、それぞれ家庭内で孤立していく。長男は母親に疎外された因縁を弟に転嫁しているものの、表面上は弟と良好な関係を保つ。次男進学の報告をきっかけに、本心を吐露してしまう長男。次男はそれを知った上で兄を慕っており……と、母親という毒親ありきの関係性ですが、きっかけなんて何だって良いんですよ。こちとら血縁兄弟のホモが見てぇんでい(突然の江戸弁)。ただね、オムニバスだから人間関係の繋がりを持たせたかったんだと思うけど、兄の元彼を匂わせる必要あったのか?という疑問。兄の元彼が、収録されてる別な短編で母親と同じ男に引っかかる(言い方)話だったんですけど。それと長男を繋げる必要あるかー?!という気持ち。作家さんの読者をあっと言わせようというエンターテイナー的努力だとは思うけど、あんまりやり過ぎると泥沼の昼ドラみたいで胸焼けするから。時には、全体図を見た時の引きの画面を意識して、引き算も必要かと存じます。血縁ものにテンション上がり過ぎたので、他の短編も悪くはなかったんですけど、好きなものと落差ありすぎてスン……(着席)ってなりました。あと、兄のルックスが盛り過ぎかな。作家さんの営業努力=キャラや設定作りに全力で取り組んでらっしゃる姿勢は素晴らしいと思うのですが、褐色+そばかす……どっちかだけで良かったのでは。それと、編集上の都合なのか、発行順とは順番変えて収録してて、それも気が削がれたから、兄弟編、その他編でまとめて収録してほしいな。
もっとみる▼