魔界で出会った、アイツのコーヒーが忘れられない──
上級魔神・サシャは、下級魔神が淹れた一杯のコーヒーに心を奪われた。
でもその味は、彼女には苦すぎて飲めなかった。
「いつか、美味しそうに飲んでやるんだから…!」
そう息巻いたまま、彼は死に、魂は人間界へと転生。
サシャもその魂を追いかけ、自らも人間に――“紗々まかみ”として生きることに。
喫茶店で働く彼、星後とおると再会するも、彼は魔界の記憶をすっかり失っていた。
「実は私…魔神なの…」
想いを伝えても、届かない。
それでも紗々は、彼が淹れるコーヒーを手に、今日も席に座る。
飲めないまま、隣にいるために。
魔神の恋と、ひとくちのぬくもりを描く──
“ほんのりビターな片想い”喫茶店ファンタジー。
※本作は、関西コミティアなどで頒布した同人誌・Epシリーズに加え、
描き下ろしの新エピソードを追加した電子書籍版です。
読んでくださった皆さまに、ほんの少しの喜びと癒やしをお届けできれば幸いです。
152ページ