各巻約175ページ。
ノストラダムスの大予言の不安に覆われた世紀末の子供三人をめぐる物語。
物語の中心は主人公の家庭事情で、女子二人のそれは垣間見える程度。どの子供も家庭的な不安を抱えて、それでも自分の世界をなんとか保とうとしている姿が
痛々しい。けれども、母親に確かに愛されている主人公に対して、女子二人の闇は更に深さを感じます。
最終話、強調される無力感、幸せ、幸せでないことの絶望。たたみかけるような、ガラスにナイフで傷をつけるような、悲鳴が聞こえる気がしました。ラストのセリフの追い討ち感に震えます。
この作者さんは、きづきあきら単独名義だった頃の『モン・スール』が初読みで、その頃から「幸せになる方法」を親から与えてもらえなかったタイプじゃないかなと思っています(個人的には、単独名義でなくなったことにも少々微妙な不安を感じる)。今作は、物語が子供時代ということもあり、過剰なお色気やドギツさは控えめになっており、その分、きづきあきら本人の等身大な部分が出ている気がします。それだけにラストが辛いな……。
2023年6月現在、毎日無料で最後まで読めます。
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