三人のアドルフについて、峠草平が語り部として話が進んでいきます。一気に全5巻読みました。1930年代以降~戦争やファシズム、軍国主義の愚かさ残虐さ。本編や本編の間に差し込まれる年譜を見るたび、それらがまかり通っていたのが末恐ろしい。
峠はおっさんかと思いきや28で案外若い。男前設定な上にやたらとモテています。特高の赤羽、ゲシュタポのランプたちにやられながらも、仁川刑事みたいな良い人たちが手を差し伸べて、色んな意味で強運の持ち主の峠。1つ気になるのは、三重子は父の死に対して峠に思う所はないのがちょっと不思議……。
カミルに意外な所で復讐されましたが、カウフマンは自分のしてきた虐殺行為に気づく事がなくて本当に残念。自分の過ちに気づいて欲しかったです。ナチスに染まった人間は悲惨な末路で、振り回された人間は人生を全うした所が救い……?