評判たがわず日替りメニューで女と付き合うことの出来る彼を、なんとしても振り向かせたいヒロイン。
ドタバタで、やることなすこと空転か脱線。その力みと真剣さに対して応援したくなるが、法廷闘争の場外乱闘ぶりは、これが作り話であるとしても、弁護士として優秀云々の人物設定に傷をつけている。
相談相手につけてもらう知恵が、笑いを読者に取りに行きすぎて少し悪ふざけの域。
その分、ギャグ描写として面白いところ以外の、シリアス展開が、どこか荒っぽく見えた。
彼のプレイボーイ加減がいかに派手なのかを示すシーンをストーリー中に何ヵ所も目にしてきている分だけ、私は、彼の身辺整理まで見届けないと安心できなかった。
結婚とかラブラブの二人だとかそんなシーンは私は、どんな作品にもどうしても見たい、とまで、いつもいつも求めてはいる訳ではない。だけれども、モテ男を好きになったヒロインの話なのに、そういうヒロインの作戦成功をちゃんと実感したいのに、彼が、ちゃんと清算するであろうという未来形で済まされる。現時点でのコンプリート感を削がれた気がした。