登場する4人が それぞれデート相手を取り違えたことから始まる コミカルでアップテンポな物語を 面白く アッという間に読み終えた。ヒロインケリーとヒーローマックスは お互いのデート相手ではないと 認識してからも 赤ちゃんジェイミーが接着剤となって 離れることが出来なくなった。その理由は、ケリーは辛い過去の為に、そしてマックスは子育てに無知だから。本来の2人のデート相手のCJとランディーだが、これまたお金好きと打算的でサバけた性格の両者似た者同士。おまけに ケータリング業に興味のある者同士で意気投合という好都合な展開。しかし、CJはモラルもヘッタクレもない お金第一主義だけれど、悪女には書いていない。だが、ここがこの物語の面白いところで、4人が4人とも「愛」が絡んでいないから、ドタバタ展開。4人の状況を客観的にみて話が進むので先読みできなくてワクワクしながら頁を繰る私がいた。しかし、アップテンポであるのに、ケリーがジェイミーを抱きかかえるシーンは、大きくコマを取ることで ゆったりとした時の流れに変化させ 母の愛情をたっぷりと見せる。徐々に変わってくるマックスの意思。母の為に牧場を手に入れるなら愛の無い結婚も商取引きだと言っていたのに ケリーとジェイミーしか視界には無い。変化はケリーにも訪れていて、麗しの我が子と重ねていても、ジェイミーの可愛さに マックスの素敵さに 情熱を取り戻していた。コミカルに見せていても しっかりとした人間性を見せてくれる文月先生の技量に脱帽だが そこには じんわりと 伝わるロマンスの熱があった。