契約結婚もの。結婚の動機は地位への野心でも財産でもなかった。 ただ、親思いから来ているものだとしても、それを当人が望んだ形なのか、確かめておくべきこと。結婚も同様。そういう人だからやらかしたのだ、といえるかもしれない。
絵が細やかで各エピソードが無理なく収まっている。
皇太子妃が契約結婚で釣ってきた人間というのが最も座りの悪いものとは思うが。
見知らぬ人の来訪を、相手が誰かを確かめもせずドア開けるなど、普通に考えられない。まして部屋にのこのこついて行く? ますますあり得ない。チョコレートも後の布石か知らないが初対面で、その距離感で?
お姉さまはバイオリンが本職で、ボーカルは小遣い稼ぎだったのか? レコード出す話は、お姉さまは何をレコーディングするつもりだったのか? 病も身代わりピンチヒッター設定の根拠としているが、ヒロインにストーリー上、彼の提案にウンと言わせるためにあるように思えて、どこか引っ掛かる。そもそもぶっつけでボーカル?
「仕事」に楽しみを持ち込む意図を口にしておきながら、ああいう間柄ならば「楽しみ」とは何だったのか。
町中に繰り出す葡萄踏み祭りの様子が二人の盛り上がりどころなのに、何となく熱が足りなく思った。
人々が祝福しているシーンにも、ヒロインの妃っぽい物言いにも、もっと視覚効果に訴えるドラマ演出が要ったように思う。
公務忙しくすれ違う日々も、転回部作りの為に設けられたように思えて、自然には受け止められなかった。