ヒロインの気持ちとてもよくわかります。
気になる人や好きな人がいないこともないけれど望み薄、何となくこのままでは子どもを生むチャンスを逸してしまいそう。
誰でもいいなんてことはあり得ない!だったら最初から悩まない。
ヒロインのその勇気、脱帽です。好きな人に当たってみて、結果は砕けてしまったけれど、内食ディナーで、大胆な露出の派手な服、どれも普段の自分と違うだけに相当のチャレンジですよね。誘ってしまったときの慌てぶり、家で出迎えたときの姿に驚いた彼を見て恥ずかしくなったり、その晩の意図を伝えなければならないときの緊張。どれもこれも、笑いというより我が事のように、恥ずかしさや緊張を感じました。
彼がいい人ですよね。ストーリーの中で、何度も彼は、自分はいい人なんかじゃない、と言っていますが、いいえ、いい人です。何度もヒロインを思いやって、男の欲望よりヒロインの身を思いやったのですから。
そして、彼の、ヒロインへの心配から、そわそわして、落ち着けず遂に行動するところは、想定可能な展開なのに、いきさつを最初から見せつけられていたためか、ベタな彼のリアクションにも親近感。
お互いの、相手を尊重し合う姿が二人それぞれの印象を深めます。
一点だけ、人物の絵柄について。
あっさりし過ぎの絵だと思います。物語の中心人物二人なのに、絵としての存在感があまりに薄い。背景のないコマが多く、そのため主役級の輝きがなくても辛うじて耐えていますが、物足りないです。
影が薄いにも拘わらず、人物の内面に魅力があるために、星を落とすことにはなりませんてした。