既に下地のある関係、他人には踏み込めない独特の親しさ、気心の知れている安定感。出会って間もないような両者共相手のことを知らないところから、相互理解を深めるプロセスが少ない分、幼馴染物はどちらかというとときめき成分は減るリスク。でも、恋愛へのスイッチの入りかた、アクセルのかけ方に、面白さを感じられたら、その美味しいシチュエーションは強い味方になる材料。
絵がしっかりで安心して読める。そこはすごく大きい。
短編集の限界なのか、イージーにまとまった印象多少拭えず。もっとクセのある味を隠し味としてどこか探したかった気分残る。各作品のそれぞれのカップルの行方を端から眺めることにはなったが、生身の人間の胸の内の追体験的な感じかたはあまり出来なかった。