江戸人が描いた江戸=浮世絵の中から今の世に生まれてきたかのような珠玉の作品集。わたしはこういうのが江戸らしいと思うんですよね。粋で清しく軽やかで…。杉浦日向子さんがこの路線の大先達。わたしも大ファンな訳ですが、漫画はまったく電子化されてないので、常々さみしいと感じておりました。この作家さんに巡り合えてよかった!絵柄は浮世絵っぽい(というかそのもの)なのに違和感を感じないのは、よくこなれているからなのでしょうね。ご自身の血肉になるまで江戸文化を愛しているんだろうとおもいました。シンプルなようでこだわりは深い。時代ごとに変化する髪型(男髷も時代と職業で変わる)、特に感心したのは着物の柄、100%じゃないけど手描きです。これトーンだったら台無しなんだよね。ひさしぶりに超イイ江戸もの漫画読めて幸せです。ものすごいストーリーとかエモさとかではないけど、私は粋とか俳味と呼んでいい魅力じゃないかとおもう。