極上の大人のための(エッチあるしね)御伽話のようなお話。最終巻が出て勿体なくてすぐには読めなかったけど、1巻から読み直して最終巻までようやく読めた感想が、それです。クズ九晟が愛を知り自覚し全うしていく話。決して成長物語ではないと思う(笑)。なにせ最後までクズは変わらないから。コレ大事。ありがとう作者様、九晟を最後までクズでいさせてくれて!エッチやクズっぷりが目につくけど、実際、けっこう重いテーマなんです。事件が起こるのはいつもメルにだし、辛くて酷な思いをするのもメル。その度に九晟のクズっぷり(爆愛)で収めていくけど、愛が深すぎて周りの人も大変よ。九晟の苦労はほとんど出てこないけど、あそこまで唯我独尊を通せるほどの秀でた人物であること、誰もかしずかずにはいられない尊大さは、彼がそれまでにいかに多くのことを乗り越え踏み締めてきたかの現われだな、なんて考えたりしてます。終わって欲しくはなかったけど、見事な最終回でした。何度読んでも好きです。