自信があるからか、それとも根っから厚かましいのか、最初から彼フィンはヒロインのところに入り込んでいく。近さが普通でない。天然魔性の男性版?しかも事態はヒロインが断れない拒めない形に。
彼がありながら、ということで眉をひそめる人は楽しめない。軽~く軽~く話は展開して私はあっけらかんとした彼の絡みっぷりを、楽しめた。
女に囲まれることが常態化している男性が相手、でも、ヒロインは彼に恩?も、義理?も、義務?もあるわけなので逃げられない。
テンポの良さが心地よく、二人がなんだかんだ楽しく日々を過ごすのが良い。ジョージとは早めに別れておくべきだったかも、とは思うが修羅場無し(一発退散)。長年の彼は、新しい彼(とは未だ言えなかったが)に勝ち目ないから。
それでも、ヒロインは食い逃げされる覚悟は持つ。
「彼は君を幸せにしない」「干からびたオールドミスになっても知らないぞ」、夢を持たせない言葉が刺さる。だから手近な人で手を打っておいたんでしょうが、とヒロインの状況もよく解る。
いつもより顔アップの人物絵の時の目元細やかで、ヒロインの服なども相対的にはおしゃれな感じ。
コマもサイズ感多様性があり良かった。
しゃくれ顎の男性は私の好みではないが。
あけすけな友達たちとの会話が澄ましてなくて、本当に心を割っている仲という感じがする。
プロポーズが、演出好きに受けるタイプの、古典的とは正反対の、公開宣言型。
堂々と高らかに愛の言葉を公衆の前に晒してくれて、そう公明正大にした訳を考えてみれば、フィンのキャラを踏まえていた。「君はもう起きてない心配と戦うことをあきらめて」はプレイボーイの変身の台詞としてウイットがあった。
余計なことを書きます。
私は、土足で家の床を歩く人たちが、床に寝転ぶのは、見ていてどこか落ち着かない。二度も、友達たちと3人で仰向けになる絵は十分伝わってくるものがあるのだが、掃除したというシーンにも拘わらず、私の衛生感覚には受け入れ難い(英国は靴脱ぎ派かな?)。日本人ですみません。
あと、タイ料理レストランの綴りが気になった。英国のノッティングヒルは、現在はどうか知らないが、十数年前はお洒落で少し高級感あったかと。原作の製作年は知らないが(第一余り読まない人間だから。原作に強く縛られずに少し自立した漫画として読みたい為)、日本で代官山イメージがあるので。
それとも、わざと?