ああ、このシーンを描きたかったのねと分かる重要ポイントだ。あと20Kgくらい太っても大丈夫だぞ(笑)デミを間においてヒーローニコロスとヒロインフランが惹かれあう物語を堪能した。けれど、「愛しあうために奇跡はおきた」とニコロスのセリフまでの前半部分では、それ程のトキメキは感じられなくて歯がゆい。34歳という設定にしては、ニコロスの印象が初心くて相応しくないし、子供が出来ない身体だとしても、恋した女性がいなかったという事には疑問が払拭できない。それよりも、恋した女性はいたけれど成就しなかったとしたほうが 現実的と思う。ニコロスのアプローチは悉くフランに躱されて その度に描かれるコミカルな挿絵がその要素を上手く伝えられていない気がする。だが、「アメリカに帰ったら君は幸せになれるのか」という場面は私の胸をギュッとした。ここからの展開は、フランの回顧を中心にして自分の心を見つめる展開になっていて ようやく自分の中にあるニコロスへの愛に気付く。多くのページに残念さがあるが、このクライマックスシーンからの展開は極上!ああHQを読んでてよかったと久しぶりに感じた。