200ページ。
表題のエピソード約40ページが読切作品として良く、あとは大量のおまけという印象の一冊でした。
千紘の継母が壊れてしまったのはある程度理解できて、壊れるまでには父親がそうとうな行動をしているんだろうな、という大人側の事情。その環境に否応なしに置かれた千紘、助けたいという気持ちはあってもまだ自分の事で手一杯という由一、まだ幼さの残る子供である中学生二人の狭い世界が痛々しさを伴って描かれていて良かったです。
この序盤を読切ととらえ、続くエピソード『焦り』をおまけとして、星4つ。
序盤の継母問題が解決した後、話はそのまま、中学→高校→大学、と時間が経過します。基本的に二人の間の描写だけで、背後にある世界は見えません。
お互いに向ける感情の描き方は良く、ちょっとのすれ違いもあるラブラブ話として悪くなかったです。
ただ、あの序盤から進む方向としては、個人的な趣味としてなんか違う……という、公式との解釈違いが引き起こされてしまったため、この本全体としては星3つ。
他の方のレビューに、父親がサイコっぽい旨の言及があり、サイコパスが好物なのでけっこう楽しみに読んでいましたが、ほんと〜〜〜うに父親の出番は少なかったです。
序盤では全く姿を見せなかった父親、絶対こいつが一番ヤバいと信じてるので、この男が笑顔で再婚相手にしていたであろう仕打ちを脳内補完して一人で怖がっています。