絶園のテンペストが大好きだったので読みました。主人公二人の性格や関係性はテンペストと似てるのですが、こっちの二人は大嫌いです。
主人公二人に感情移入しにくいのが問題。まず琴子が性格悪すぎる。神様感を出しつつ普通の少女な一面をと思ったのかもしれないが、下品、無神経、偉そうで人としての弱さみたいな愛らしさが感じられない。九郎も体質に関して悩みを感じさせず悟りきった可愛げもなく感じ悪い奴。琴子にも冷たすぎてどこがいいのこの男?と思いました。
ストーリー自体はいいのにこの二人の舞台装置みたいな立ち位置がとにかく癪にさわります。恋愛要素も最初から決まった筋道をなぞり、「こういう関係良いでしょ?ドヤァ」みたいなのが透けて見えて全くときめかない。恋愛の過程を描くのが苦手なのでしょうか、とにかく恋人になった後の作者の好きな関係(性癖?)をひたすら見せつけられてうんざり。
原作の方はテンペストの時からドライな登場人物が多く見受けられましたが、ここまで不快にはならなかったです。小説は読んでいないので原作者と漫画家の片方あるいは両方が悪いのか分かりませんが、主人公の肉付けはもう少し読者に寄り添ってほしかった。ストーリーの方向自体はとても面白いですが、11巻スリーピング・マーダーという話の主人公二人が嫌いすぎてもう無理です。