ネタバレ・感想あり美しの首のレビュー

(4.3) 6件
(5)
3件
(4)
2件
(3)
1件
(2)
0件
(1)
0件
大人の昔話
2023年1月16日
「五色の船」で文化庁メディア漫画部門大賞を受賞された作家さんで、確かな民俗学の知識に裏付けされた作品を沢山描かれていらっしゃいます。こちらの短編集も中世日本のお話が4編。美しい細い線で淡々と描かれていて、寓話の不思議な雰囲気と世界観がすごい。とても面白かった!
素晴らしい
2020年1月17日
食わず嫌いで読まない若い人は是非読んで下さい。多分感動します。地味だけど漫画家として30年位活躍されてる作家さんです。唯一無二な作風です。
近藤ようこワールド!
2018年8月17日
「玉鬘」も「安寿と厨子王」も、普通とはちょっと違った物語になっているのが新鮮。近藤ようこは現代物もいいけれど、やはり時代物が冴えている。主人公たちが男女ともに何ともいえない色気あり。背景に描きこまれた風物をみるのも楽しい。
セールで買いました
ネタバレ
2022年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作ほか4編・すべて時代物です。『美しの首』は恐ろしさは少なめ、後味良しです。『安寿と厨子王』はピカレスク物で後味も良くないですが、何とも言えない艶めいた妖しさがあります。
大人の昔話
ネタバレ
2020年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者さんの作品は幾つかずっと気になっていたのですが、キャンペーンで半額になっていたので即購入。(定価は千円前後のものが多い感じ…。)

短中長編合わせて4作品+解説エッセイ。中世の風俗などがよく伝わる、細かく描き込まれた背景の絵が味があります。どこか可愛らしい感じ。
なのに不気味さや不安感が漂う独特な世界観。唯一無二の作風だと感じます。

美しの首、雨は降るとも…大坂の陣を経て、豊臣の時代が終わった頃の様々な男女の人生を覗き見ている気分でした。切ない…

様々な身分の人たちの生活感や価値観が散りばめられているので、不思議と現実味ある。どれも想像を掻き立てられるラストが印象的です。
自分の生まれた時代と境遇に阻まれるおまあと犬丸、あのあと2人は恐らく…と思うと堪らなく切ない。

安壽と厨子王…かつては様々な権力者たちが社寺に多額のお金を使っていた史実を思うと、この梅津院や厨子王のような考え方も珍しくなかったのかなと、ふと思ってしまいます。恐ろしくも強か。なかなか衝撃的な展開でした。
表題作が一番良かった
2023年4月15日
215ページ。
中世日本舞台の短〜中篇4作入り。
・表題作 首実検用に手入れをされていた男の首に恋した女。女の情念と反魂術、恐ろしやのう、という気分。
・『雨は降るとも』お屋敷の若様とその許嫁の娘、それぞれの選ぶ道。若様の、戦なき世の男の憂鬱、みたいな感じが良かったです。娘の方は……この後、大丈夫かしら……と心配になりました。
・『安壽と厨子王』おおよそ100ページの中篇。著者流解釈による、原話とは違う話。安寿の霊のなまめかしさが著者らしく美しい。厨子王の悪党ぶりがすごいですが、信念による悪党と言うよりも、強がりから生まれた悪党という感じで、ラストにはなんとも言えない哀れみが湧きました。
・『玉鬘』源氏物語モチーフ。正直、原作からして光る君がものすごく苦手なので、この話もどうにも……。少女が女として自立する話で、話としては良いのでしょうが、好みではなかったです。
〜〜〜〜〜
安定感ある著者作品、とは思うのですが、自分の好みの感じから外れていました。
レビューをシェアしよう!