桶川ストーカー殺人事件の被害者の女性は、自分と同い年という事で、この事件が起きたとき、常にニュースを注目していました。なぜなら、私も当時、付き合っている男性がおり、独占欲と束縛が強い人で、学生なのに、やたらと効果なプレゼントを送ってくる人だったので、被害者と同じように、別れを切り出したら嫌がらせをされるのではないかと危惧していたからです。
警察の捜査が進まず、犯人の目星がなかなか進まない中、連日のようにワイドショーやマスコミが好き勝手に被害者象を作り上げており、こんなに綺麗で若く、何の罪も無い女性が殺されたのに、まるで被害者に非があったような報道に嫌気がさしていたところ、focusの清水さんの熱心な取材によって犯人逮捕にたどり着いたという事をなんとなく知っていました。
事件から数年後、メディアでも見かけるようになった清水潔さんの著という事でこの本が出版されたとき、私の知らない内容があまりにもたくさん書かれており、また、警察のずさんな態度、被害者遺族への心無い対応に湧き上がる怒りを抑えられませんでした。
どうか、この事件を風化させず、根気強く取材を続けられた清水さんのような、誠のジャーナリストが増えてくれることを切に望むばかりです。
清水さんが、どのような想いを抱きながら、この事件の真相究明に至ったのか、取材をし続けていたのかを拝読すると、マスコミの質が低下し続ける日本において、清水さんのようなジャーナリストがいらっしゃると考えると救われる気分になります。
最後に、被害者の女性のご冥福を心よりお祈り申し上げます。