初めての作家さん。この後のスピンオフ『愛しの腹黒弁護士』も面白そうで気になったので、先にこちらを読みました。分かりやすく歳の差・ジレジレ愛・両片思いの要素を含んだストーリーで、周りから見たら実に分かりやすい構図なのに、当の本人だけが迷路に落ちて方向を見失ってるんですよね。若い静谷はそんな感じでも応援したくもなりますし、ドツボにはまって辛い思いをしていれば切なくもなります。が、34歳の藤沢まで同じように悩まれても…不甲斐ないし年甲斐もない気がしてしまいました。職業柄?あんなエ◯エ◯ビーム丸出しで静谷を構い倒しているのに、肝心な場面で押し切れない姿に「乙女か!」と思ってしまいました。2人の微妙な関係と2年という年月は、長すぎても短すぎても現実味がなくなる気がするので、この数字のチョイスが絶妙でとてもバランスが良かったと思います。ラストで藤沢と桐生の関係のネタバレがありまして、小さな事だけどまぁまぁの衝撃で面白い伏線だなと思いました。スピンオフも楽しみです。