読んでいて、たまにもやっとしてしまうのはなぜだろうと考えていました。理由としてレイの「献身的な愛」というのに途中から疑問が出てきたのです。
純粋に素直に人を愛せるように母親から育てられた事もあり、人を疑う心を知りません。
そのせいで、自分だけに被害が来るのなら別にいいのです。ただ、悪意の中に満ちた場所や利己主義の世界で自分の愛する人にどんな迷惑がかかるのか、全く考えていないというところは見ていて違和感だったのです。
相手はきっとわかってくれると言いつつ自分は特に何もせず、ただ自分の望み通りにしていくその姿は、ある意味で自己中心的愛なのかなと思ってしまったのです。もちろん年若い人物にそこまでの人の悪意を読み取れというのは難しいですが、そうしなければ愛する人が守れないのならもっと慎重になりそうな気がしたのです。それほど、エドしか見ていないという事なんでしょうね。そしてそういう風にしなければ生きてこれなかったというのはなんと悲しい事でしょう。
3巻まであるという事なのでどうなっていくかはわかりませんが、素晴らしい心理描写なので深く考えさせられたのかもしれません。